会社のこと

会社や法人の登記は、司法書士の代表的な仕事です

株式会社や各種法人を設立するには、重要な事項を登記して、一般に公開する必要があります。この登記により、誰もが事前にその会社や各種法人について登記事項証明書を取得して調査することが可能となり、その会社と取引をしようとする者が不測の損害を受けることがないよう、取引の安全と円滑化が図られています。

商業登記の信頼性を保つために、会社が商号を変更したり、本店を移転したり、役員に交代が生じた場合など、登記した事項に変更が生じた場合には、その旨の変更登記を2週間以内に申請しなければなりません。この登記の申請を怠ると過料の対象となります。登記事項は法改正により変更されることも多く、また、登記の際の添付書類も法改正により追加されることが多いので、専門家である私たち司法書士にお任せ下さい。

事例紹介(こんな場合はぜひご相談ください)

会社や法人を設立したいとき

会社や各種法人は、それぞれ下記の特色があります。

  1. 株式会社の場合、取締役や監査役等の機関設置の要否や役員の最低人数制限
  2. 設立時に公証人の定款認証の要否
  3. 出資者の責任が有限責任、無限責任
  4. 許認可庁の関与の有無
  5. 残余財産の分配の可否

まずどのような会社や法人を設立したいか、設立の意図や目的を充分司法書士に相談して、設立する法人の種類を決定して下さい。株式会社の場合、取締役会や監査役の設置の有無によって必要な役員の人数が異なります。定款には、どのような機関を設置するのかを規定します。定款の作成、定款認証、出資金の払込・現物出資等それぞれぞれの場面で司法書士がサポートします。詳しくは司法書士にご相談ください。

取締役、監査役などの役員を変更したいとき、代表取締役の住所に変更があったとき

取締役、代表取締役、監査役などの役員に変更が生じた場合や代表取締役の住所に変更があった場合には、変更があってから2週間以内に、登記を申請する必要があります。また、任期満了により改選した結果、全員が引き続き同じ役員に就任し、登記されている役員に変更がない場合でも、全員の「重任」の登記が必要です。変更があってから2週間以内に登記をしないと過料の制裁を受ける場合があるので注意が必要です。

また、長期間にわたり登記を放置していますと、休眠会社の整理により、登記官の職権により解散登記がされることがあります。なお、会社法では役員の人数や任期などについて柔軟化が図られています。原則2年(監査役は4年)の任期を10年に伸ばしたり、取締役を1名のみにするなど会社の実態に合わせた機関設計が可能な場合があります。平成27年2月27日以後、新任役員の就任時には、住民票等の本人確認証明書を添付しなければなりません。

また、会社法の施行された平成18年5月1日当時、資本の額が1億円以下であり、最終の貸借対照表の負債の部に計上した金額の合計額が200億円未満である株式会社で、かつ株式の譲渡制限の定めのある会社は、会社法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律の規定により、監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがあるとみなされており、その後現在まで会計に関するものに限定する旨の定款の定めの廃止の決議をしていない会社は、監査役の監査の範囲が会計監査権に限定されている旨の登記が必要です。詳しくは司法書士にご相談ください。

会社所在地を移転したとき

会社の本店所在地を移転した場合、その旨の登記が必要です。市町村を越えて本店所在地を移転する場合などは定款変更決議が必要になります。また、法務局の管轄を越えて移転する場合には登記の申請に加え、印鑑の再登録と、印鑑カードが失効しますので印鑑カードの交付申請が必要になります。なお、法務局の管轄を超える移転をする場合でも、会社法人番号は変わりません。詳しくは司法書士にご相談ください。

事業目的を変更したいとき

会社の登記記録には事業内容を示す「目的」が記載されています。事業の拡大または縮小などにともない目的を変更したときには、2週間以内に登記を申請する必要があります。会社法施行により、目的をある程度自由に定めることができるようになりましたが、明確であり、適法である必要があります。目的の内容については吟味が必要です。司法書士にご相談ください。

資本金を増加・減少したいとき

会社の資本金を増加するには、株式を発行して出資金により増加する方法、会社の資本準備金または剰余金を資本に組み入れる方法があります。株式を発行して出資金により増加する方法では、株主に対して所有している株式数に応じて出資を割り当てる方法や、株主以外の第三者や株主に対して所有している割合に応じずに割り当てる方法があり、それぞれ決議する方法や手順が異なります。資本金額により、その後の法人住民税等が変わりますので、よく確認して資本金を決める必要があります。

資本金を減少する場合には、株主に払い戻しをする減資と、資本の欠損の填補や外形標準課税の課税対策等のために行う株主に払い戻しを行わない減資があります。減資の内容により株主総会の決議要件が異なります。減資の効力を生じさせるためには、会社の債権者に資本を減少する旨を通知し、さらに官報で公告する必要があります。詳しくは司法書士にご相談ください。

有限会社から株式会社に変更したいとき

会社法施行により、新たに有限会社を設立することはできなくなりましたが、既存の有限会社は「特例有限会社」として存続することが可能です。また、有限会社であった時と同様に役員の任期はありませんし、決算公告の義務もありません。特例有限会社は社名(商号)中の「有限会社」を「株式会社」に変更する決議をすれば、いつでも株式会社に変更することができます。登記は株式会社の設立登記と有限会社の解散の登記を同時に申請します。ただし、一度株式会社に変更すると、有限会社に戻ることはできません。メリットとデメリットがそれぞれありますので、詳しくは司法書士にご相談ください。

株主から自己株式を取得したい

会社法の定款に規定がある場合には、相続等の一般承継があったときに、会社は特別決議をして、株式を相続等した株主に対して、株式を売り渡すよう請求することができます。また、株主との合意に基づき、株主から自己株式を取得することができます。株主の対象者により、それぞれ決議する方法や手順が異なります。詳しくは司法書士にご相談ください。

会社を事業承継させたいとき

中小企業の経営者の高齢化に伴い、事業承継は会社の経営と同じぐらい重要なこととなってきています。事業承継は、親族に承継する方法、親族でない会社の従業員等に承継する方法、他社に事業を譲渡する方法があります。経営者の死亡により、会社が相続争いに巻き込まれて、会社の存続が危ぶまれることもあります。事業承継は時間がかかりますので、経営者が元気なうちに始めなければなりません。

また、単に会社の株式や営業用の資産(ノウハウ、知識や経験、人脈、取引先等)の譲渡だけではなく、従業員の雇用の継続も重要です。
定款の変更や役員の変更登記、合併や会社分割、種類株式の発行、遺言の作成に関する相談や不動産の生前贈与など、司法書士が関わることのできる業務も多数ありますので、どうぞ司法書士にご相談ください。

会社を廃業したい

会社を廃業するには、まず株主総会の特別決議により解散の決議をします。解散後は、解散した旨を官報に公告し、債権者に対し通知をします。解散中に、債権を取り立て債務を支払い、その結果、残余財産が残る場合や、債権者が任意に債権を放棄して、清算結了時に債務が残らない場合には、裁判所の関与無く、清算手続を終了させることができます。詳しくは司法書士にご相談ください。