借金のこと

借金返済でお困りなら、司法書士が相談にのります

借金と一口に言っても、消費者金融や銀行からの借入はもちろんのこと、住宅ローンや奨学金も借金です。このほかにもクレジットカード、携帯電話料金、家賃、事業用設備のリース料など決まった時期に支払うべきものが支払えなくなっているものも広い意味での借金といえます。そして借金問題でお困りの方、一人一人の状況は千差万別です。司法書士は、借金で苦しむ方から直接お話を聞きながら、その方の生活再建のために最も適した方法をアドバイスし、「任意整理」「民事再生」「破産」「特定調停」など債務整理の手続を支援します。また、利息制限法の上限を超えて払い過ぎた利息を取り戻す手続についてもお手伝いします。

借金の問題で司法書士に相談をいただいた場合の一般的な流れ

1. 司法書士と相談

司法書士は、相談者に来られた方から、借入先、残債務額、残りの返済期間や就労状況、家計の状況などをお伺いし、最適な手続をアドバイスします。

2. 司法書士と委任契約を結ぶ

相談だけで終わる場合もあるかもしれませんが、相談の結果、債務整理の手続(過払い金の返還を含む)を依頼することになった場合は、司法書士と委任契約を結ばなければなりません。通常この委任契約を締結する際に手続にかかる報酬や契約内容の説明があります。

3. 委任契約を結んだあと

委任契約を結ぶと司法書士は、相談者から聞き取った債権者(消費者金融業者、クレジットカード会社や銀行など)に対し「受任通知」を送ります。債務整理の手続を引き受けたことを債権者に通知すれば、それが届いた時点から支払い・取り立てがストップします。

4. 取引履歴の開示

受任通知を受け取った債権者は、司法書士に対し依頼者の取引履歴(何時いくら借りて、何時いくら返したのかの記録)を開示しなければなりません。司法書士は、債権者ごとに開示された取引履歴をもとに、利息制限法の利息による引き直し計算を行い借金がいくら残っているのか、あるいは過払い金が生じているかなどを調べます。

5. 残債務の確定

すべての債権者からの取引履歴がそろい計算結果が出た後に、最終的な債務整理の方針を依頼者と相談して決定します。ただし、生活再建の目途が立たないまま債務整理をおこなっても、状況は改善することなく、また同じような苦境に陥ってしまうことになるでしょう。司法書士は、生活再建も含めて相談者と話し合い、将来へ向けた債務整理を行います。

事例紹介(こんな場合はぜひご相談ください)

任意整理とは?

依頼者から受任を受けた司法書士(法務大臣の認定を受けた司法書士)が、依頼者の代わりに、消費者金融やクレジットカード会社などと裁判外で交渉し、債務の残元金や将来の利息を減額したり、毎月の支払金額や支払い回数を変更したりして、実行可能な返済プランを相手方との合意により実現するものです。

任意整理は、各債権者と個別に和解交渉を行うため、必ずしも自宅や自家用車の処分を強制されず、依頼人の希望にあわせた柔軟な債務返済プランを実現することが可能です。また、契約時の利率や借り入れた時期によっては、利息制限法の上限利率に基づく引き直し計算により、返済すべき借金の額が大幅に減額される可能性があります。ただし、あくまで話し合いによる解決ですので、こちらが提案した返済条件に納得しない債権者がいた場合、一方的に合意を取り付けることはできません。

また、信用情報機関に債務整理を行った旨の情報登録(俗に「ブラックリスト登録」といわれています。)がなされるため、今後の借り入れが難しくなる可能性もあります。しかし、そうはいっても返済が一定期間滞ってしまえば、延滞情報が信用情報機関に登録され、結局は借り入れが困難になりますので、今後返済できない可能性がでてきた場合には、まずは司法書士にご相談ください。

民事再生とは?

個人民事再生とは、借金の返済がかなり難しくなってきた人が、自ら裁判所に申し立てて、裁判所から認可された再生計画案にしたがって債務の一部を債権者に支払うことで、残りの債務の支払いが免除される手続です。

個人民事再生手続の最大のメリットは、ある程度の返済能力のある方であれば、住宅ローンについては従前通り(または住宅ローン債権者の同意の下で返済条件を変更して)返済を続けることで住宅を手放すことなく住み続けられる一方で、それ以外の借金の返済負担を大幅に減らせることです。また、ローンのない不動産や自動車についても、その財産的な価値と同じ金額を返済することにより手元に残せる可能性があります。さらに、自己破産のように借金の原因は特に問われませんし、宅地建物取引士や生命保険募集人、警備員等の職業の方が、その資格を失うということもありません。

ただし、個人民事再生手続を利用できるのは、あくまで「将来にわたり定期的な収入が見込まれる方」です。失業者や専業主婦など、定期的な収入のない方は原則として個人民事再生を利用できません。また、借金の総額は5000万円以下であることが必要です。個人民事再生にはその他にもいろいろな要件がありますし、手続が多少複雑で時間もかかりますので、借金の返済が困難だが、自宅を守りたい方は、まずはお近くの司法書士にご相談ください。

自己破産とは?

自己破産とは、もはや借金を返済できる見込みのなくなった人が、自ら裁判所に申し立てて、現在所有している資産をお金に換えて返済に充て、それでも返しきれない借金については「免責(免除)」してもらう手続です。非常に強力な手続で、免責されればすべての債務の返済義務がなくなります。ただし、浪費やギャンブルで作った借金は免責されない場合があります。また、不動産など価値のある財産は処分しなければならないことや、官報に住所・氏名が掲載されること、一定の職業(宅地建物取引士や生命保険募集人、警備員等)の方は、この手続によってその資格を失うために仕事を辞めなければならなくなるおそれがあることなど、注意点もいくつかあります。

なお、自己破産をすると、すべての財産を失うかのようなイメージがありますが、実際には「自由財産」といって、当面の生活費や日常生活に必要な財産は手元に残せますし、一定年数以上が経過した自動車(高級車を除く)も、ローンがなければ処分されません。また、選挙権がなくなるとか、戸籍に記載されるといった誤解をされている方もいらっしゃいますが、そのようなこともありません。なお、司法書士は、自己破産の申立書の作成も可能です。借金の返済が困難で自己破産を検討されている方は、まずは司法書士にご相談ください。

特定調停とは?

特定調停とは、債務者本人(又は訴訟代理人)が、裁判所の民事調停の特例を利用して、消費者金融やクレジットカード会社などと今後の返済条件について交渉し、借金問題の解決を図る方法です。手続、原則として、債権者の本店や支店の所在地を管轄する簡易裁判所に申し立てて行います。期日には債務者本人(又は訴訟代理人)が裁判所に出頭し、裁判所の調停委員に間に入ってもらいながら、債権者と返済条件についての交渉をします。そこで話がまとまれば、調停調書が作成され、調停成立となります。

メリットは、手続が比較的簡単で、どの債権者を相手方にするかを選べ、柔軟な対応が可能なことです。また、自宅や給料の強制執行を中止する申立が可能です。しかし、調停調書には強制力(執行力)がありますので、もし、調停で決まった債務の返済スケジュールが守れなくなると、債権者から財産や給料などの差押を受けやすいことや、信用情報機関に債務整理を行った旨の情報登録(俗に「ブラックリスト登録」といわれています。)がなされるため、今後の借り入れが難しくなる可能性もあります。司法書士は、特定調停の申立書の作成が可能であり、また、法務大臣の認定を受けた司法書士は、特定調停ではなく任意整理という方法で債務整理を行うことも可能ですので、まずは司法書士にご相談ください。

過払い金返還請求とは?

過払い金返還請求とは、端的に言えば払いすぎた利息を返してもらう請求の事です。 消費者金融やクレジットカード会社のキャッシングなど借入を行った際に高い利息(利息制限法を超えて支払った利息)を継続して支払っていた場合に、利息制限法に基づく利息で再計算した結果その差額が払いすぎた利息となり、結果的に借りていた借金が大幅に削減されたり、あるいは払い過ぎの状態になったりします。この払いすぎたお金のことを「過払い金」と呼んでいます。

大幅に削減されても債務が残る場合には、任意整理等による方法で返済計画を考えることになりますが、払い過ぎの状態になっていた場合には貸金業者に対し返還請求をします。これが、過払い金返還請求です。一般に、過払い金の返還請求を行っても信用情報機関に債務整理を行った旨の情報登録(俗に「ブラックリスト登録」といわれています。)がなされることはありません。また、複数の貸金業者からの借入をしている場合に、一部の業者は過払い金が発生したが、一部の業者には債務が残るような場合など、回収した過払い金を残債務に充て総債務額が減るように調整するなど依頼者の生活再建ができるようにアドバイスを行います。